今クオーターはCS 221 (Artificial Intelligence: Principles and Techniques)というものを取ることにした。AI専攻では必須の授業だから、最初に取るにおそらくふさわしいのだろうと思って選んだ。
しかしシラバスをよく見てみるとディープラーニングを教えるというわけではなさそうだ。ニューラルネットとかはCS 229のほうでカバーされていてCS 221ではやらなさそうだ。なんかがっかりである。
今日学校にいってみたので、みんなどうしているのかちょっと訊いてみた。そうするとどうも多くの人がCS 221とCS 229を同時に取っているっぽい。フルタイムの学生なら3つくらいは平行で授業を取れるんだよなぁ。羨ましくなった。
スタンフォード コンピュータサイエンス体験記
2016年9月29日木曜日
履修計画を立てる
Stanfordのマスターのコンピュータサイエンスは45単位取れば卒業。卒論もないし研究とかも基本的にはない。1つの授業が3から5単位くらいなので十数個の授業を取ってGPA 3.0以上をキープしていれば卒業ということになる。ただしいくつか細かい条件がある。
まず第一に卒業単位数にカウントされる授業の組み合わせが限定されていること。コンピュータサイエンスでは10個の専門領域(specialization)が定義されていて、学生はそのどれか1つを選んで、そのリストの中から授業を選択しなければいけない。リストにない授業を取ってもかまわないが、そういうのは卒業単位数にはカウントされない。
第二に必修科目というものがあること。必修科目は10単位までしか卒業単位数にはカウントされないので、その単位数以上に必修する必要があるひとは「取らなければいけないが単位はカウントされない授業」を取らないといけない。その場合45単位より多くとらないと卒業できない。
入学したらすぐに履修計画表を提出する必要がある。途中で変更してもいいけど、今の段階でどういうふうに授業を取って卒業するつもりかという計画は決めておかなければいけない。
僕の場合、もともと専門領域はシステムズプログラミングを選ぼうと思っていた。OSとかコンパイラみたいな分野だ。そういうのは僕は好きだし得意でもあるので、これを専門にしたらより詳しくもなる事もできるし、いい成績で卒業することもできると思っていた。しかし履修生として3つくらいシステムズプログラミングの授業を受けてみたところ、たしかに普通にクラスのトップクラスには入れるのだが、学ぶところが少なすぎるのではないかという感じがした。GPAを最大にすることが学校に行く目的であるならそれでいいのだけど、それは違うよなぁ。何年もかけてやるんだからもっとわけのわからないことをやったほうがよさそう。
というわけで履修計画表はシステムズプログラミング系は取らない縛りで立てて提出した。AI専攻で卒業する予定。この制限プレイに意味があるのかはよくわからないがこれでクリアを目指したい。
せっかくコンパイラとかにかなり詳しくなったのにAI専門に切り替えるというのはわりと人生に影響が出るレベルの決断のような気がするけど、まあ嫌ならシステムズプログラミングに戻ってくればいいし、やってみれば面白くなりそうだから、まあいいかなと。履修生としていい成績を取ったおかげでStanfordの教授に強力な推薦状を書いてもらえたので、一応自分の専門分野は入学に役に立ってくれたとはいえる。入ってから同じことをやる必要は別にないよな。
履修計画表を立てて気づいたが、卒業までにあと3年くらいかかりそうだ。パートタイムだと1学期に1つずつしか授業を取れないので(2つは忙しすぎて難しい)、かなりののんびりペースになってしまう。俺の大学院は、東京オリンピックより前に卒業したい、みたいなレベルなのか。やれやれ。
まず第一に卒業単位数にカウントされる授業の組み合わせが限定されていること。コンピュータサイエンスでは10個の専門領域(specialization)が定義されていて、学生はそのどれか1つを選んで、そのリストの中から授業を選択しなければいけない。リストにない授業を取ってもかまわないが、そういうのは卒業単位数にはカウントされない。
第二に必修科目というものがあること。必修科目は10単位までしか卒業単位数にはカウントされないので、その単位数以上に必修する必要があるひとは「取らなければいけないが単位はカウントされない授業」を取らないといけない。その場合45単位より多くとらないと卒業できない。
入学したらすぐに履修計画表を提出する必要がある。途中で変更してもいいけど、今の段階でどういうふうに授業を取って卒業するつもりかという計画は決めておかなければいけない。
僕の場合、もともと専門領域はシステムズプログラミングを選ぼうと思っていた。OSとかコンパイラみたいな分野だ。そういうのは僕は好きだし得意でもあるので、これを専門にしたらより詳しくもなる事もできるし、いい成績で卒業することもできると思っていた。しかし履修生として3つくらいシステムズプログラミングの授業を受けてみたところ、たしかに普通にクラスのトップクラスには入れるのだが、学ぶところが少なすぎるのではないかという感じがした。GPAを最大にすることが学校に行く目的であるならそれでいいのだけど、それは違うよなぁ。何年もかけてやるんだからもっとわけのわからないことをやったほうがよさそう。
というわけで履修計画表はシステムズプログラミング系は取らない縛りで立てて提出した。AI専攻で卒業する予定。この制限プレイに意味があるのかはよくわからないがこれでクリアを目指したい。
せっかくコンパイラとかにかなり詳しくなったのにAI専門に切り替えるというのはわりと人生に影響が出るレベルの決断のような気がするけど、まあ嫌ならシステムズプログラミングに戻ってくればいいし、やってみれば面白くなりそうだから、まあいいかなと。履修生としていい成績を取ったおかげでStanfordの教授に強力な推薦状を書いてもらえたので、一応自分の専門分野は入学に役に立ってくれたとはいえる。入ってから同じことをやる必要は別にないよな。
履修計画表を立てて気づいたが、卒業までにあと3年くらいかかりそうだ。パートタイムだと1学期に1つずつしか授業を取れないので(2つは忙しすぎて難しい)、かなりののんびりペースになってしまう。俺の大学院は、東京オリンピックより前に卒業したい、みたいなレベルなのか。やれやれ。
2016年9月22日木曜日
学長の歓迎スピーチ
学長のウェルカムスピーチを聞きに来た。 pic.twitter.com/k9nW6lQQTx— Rui Ueyama (@rui314) September 22, 2016
新入生のオリエンテーションの一環として学長がスピーチをするというのがあったので聞きに行ってきた。場所はちょっとキャンパスの中心から離れたLou Henry Hoover Houseという広くてきれいな建物の芝生。フーバー大統領が住んでいた家でいまは学長の家になっているらしい。
3時半スタートということでその時間にいったら、例によってご歓談ください状態で、ドリンクを飲んだりクッキーを食べたりしながら芝生で周りの人と話したりした。そのあと学長がスピーチをしたんだけどまあまあだったかな(上から目線というわけではないが)。この大学での機会を十分に活用してほしい、みたいな。
そのあとに学生団体(?)みたいなひとが案内をしたりとか。とにかく芝生がキレイでいい場所だった。
でそのあとはまたご歓談状態。適当にいろんなひとと話をしたら結構面白かった。ある女の人はインドのムンバイから来ていて、3日前に初めてアメリカについたのだが、ドキュメンタリーフィルム専攻で2年間かけてこれからそれを勉強するらしい。いままでもドキュメンタリーはちょっと撮ったことがあるのだけどもっとちゃんと勉強したいと。卒業したあとアメリカで仕事を探すかインドで探すかはまだよくわからないらしい。インドにはドキュメンタリーの仕事というのは限られるからねと。
応用数学をやっているひとか、メディカルスクールとか、電子工学とか、いろんなひとがいるものである。中国人はかたまって中国語で話していたりとかしてある意味羨ましいが、それでいいのかという感じもしないでもない。日本人には一人も会わなかった。いないわけではないのだろうけど、なぜこんなにいないのかとちょっと思わざるをえない。
俺の英語も日本で生まれ育った人にしてはマシなほうだと思うが、もうちょっとうまければいいのになぁと思った。
食事とかアパートメントとかをコーディネートしているひとたちとも話をしてみたが、パートタイムプログラムをやめてフルタイムになったら? と言われてしまった。まあそうなんだよな。キャンパスライフというか大学生活的な友達作りとかを考えると仕事の片手間でほぼリモートで授業を取っているというのはかなり不利ではある。仕事やめるほどの度胸は今のところはないので、妥協策としてこういう機会にはキャンパスに積極的にいくしかないかな。
2016年9月21日水曜日
初日
コンピュータサイエンスの大学院のオリエンテーションに出てきた。意外と面白かった。いままで履修生として単位は取っていたしテストを受けに学校にきたことは何度もあったから別に場所的には目新しいことはなかったんだけど、新入生ということでほかの学生と話ができたのが楽しかった。
10時にコンピュータサイエンス学部が入っているGatesビルディングに集合ということでいってみたら列ができていて、そこに並んでチェックイン。そのあと11時までは特に何もなくて、Gatesビルの中にあるAT&Tパティオという小さな広場みたいなところで待機してた(大学の建物はだいたい寄付で建設されているので、いちいちどんなものにもスポンサーしてくれた企業や個人の名前がついていて、Gatesはマイクロソフト創業者のBill Gatesからきているし、AT&Tはむろん電話会社)。まあご歓談ください、みたいな感じなので他のひとと喋っていた。
オリエンテーションの最初に、学部長のAlex Aikenさんが話をして、結構これはよかった。というかアメリカの偉いポジションにいる人というのは誰でもだいたいスピーチが上手い気がする。Alexが話したのは、スタンフォードがどういう学校かということと、新しく入ってきた学生(つまり我々)がどういう人たちなのかということ。僕らは合わせて200人くらいで、3割くらいは女の人で、いろんな国からきている(後で分かったが半分くらいは外国からきている)。まあ僕も外国人だし。Alexは続けて、コンピュータサイエンスはスタンフォードで最大の学生数を擁する学部で、コンピュータサイエンスを学ぶには今がベストの時期だと。なぜならコンピュータサイエンスを学ぶのにベストなタイミングは常に今だから。CSの領域はどんどん拡大している、と。まあ、そうだろうなぁ。
スタンフォードのコンピュータサイエンスは大まかに10分野にわかれているのだけど、人工知能をやりたい人が今年はなんと9割だった。ほかはセキュリティとかシステムズプログラミングとかあるんだけど、AIに9割ってさすがに集中しすぎではないか? コンピュータサイエンスを勉強したいひとの9割が人工知能を勉強するとなったら数年後の労働市場はいったいどうなるんだろうか?
明日は学校のオリエンテーション。入学式+説明会みたいなものだろうと思っているけど。— Rui Ueyama (@rui314) September 21, 2016
10時にコンピュータサイエンス学部が入っているGatesビルディングに集合ということでいってみたら列ができていて、そこに並んでチェックイン。そのあと11時までは特に何もなくて、Gatesビルの中にあるAT&Tパティオという小さな広場みたいなところで待機してた(大学の建物はだいたい寄付で建設されているので、いちいちどんなものにもスポンサーしてくれた企業や個人の名前がついていて、Gatesはマイクロソフト創業者のBill Gatesからきているし、AT&Tはむろん電話会社)。まあご歓談ください、みたいな感じなので他のひとと喋っていた。
明らかに僕より上のそこそこいい年齢の女の人と話をしたら、自分は大学教授をやっているのだが、Computer Science Teachingのコースをとるためにここにきたと言っていた。僕はよく知らなかったのだけど、スタンフォードにはコンピュータサイエンスを教えるための人たちのコースというものがあり、CSの普通の授業+授業をするための授業を取ることで卒業できるというものがあるらしい。あまりにも最近にできたので誰も詳しくは知らない(入学したひとたちですらよくわかっていない)という。そのコースは9人しかいないらしい。年齢性別人種にかかわらずいろんな人がいろんなことに取り組んでいるんだよなっていう話。
11時からランチでサンドイッチ的なものが配られた。これもご歓談ください、みたいな感じで、11時45分からやっと本番のオリエンテーションが始まった。まあほんとこの1時間45分は仲良くなってねという時間なんだろうなぁ。
学部長の話は雰囲気が出てよかったが、残りの説明はウェブサイトよんでくれば済む話だった。— Rui Ueyama (@rui314) September 21, 2016
オリエンテーションの最初に、学部長のAlex Aikenさんが話をして、結構これはよかった。というかアメリカの偉いポジションにいる人というのは誰でもだいたいスピーチが上手い気がする。Alexが話したのは、スタンフォードがどういう学校かということと、新しく入ってきた学生(つまり我々)がどういう人たちなのかということ。僕らは合わせて200人くらいで、3割くらいは女の人で、いろんな国からきている(後で分かったが半分くらいは外国からきている)。まあ僕も外国人だし。Alexは続けて、コンピュータサイエンスはスタンフォードで最大の学生数を擁する学部で、コンピュータサイエンスを学ぶには今がベストの時期だと。なぜならコンピュータサイエンスを学ぶのにベストなタイミングは常に今だから。CSの領域はどんどん拡大している、と。まあ、そうだろうなぁ。
スタンフォードのコンピュータサイエンスは大まかに10分野にわかれているのだけど、人工知能をやりたい人が今年はなんと9割だった。ほかはセキュリティとかシステムズプログラミングとかあるんだけど、AIに9割ってさすがに集中しすぎではないか? コンピュータサイエンスを勉強したいひとの9割が人工知能を勉強するとなったら数年後の労働市場はいったいどうなるんだろうか?
その後のオリエンテーションの内容はウェブサイトを読んでくれば済む内容だった。Honor codeとか(要するにカンニングとか不正行為はしない/手を貸さない)、卒業までの単位の取り方とか、学生用のWebサイトの案内とか。
その後は解散になったので僕は学生証をピックアップしにいった。
学生証もゲットした。これで晴れて正式に大学院生ということでなかなか感慨深い。 pic.twitter.com/vPyxbGRxSt— Rui Ueyama (@rui314) September 21, 2016
そのあと4時にGatesビルディングに戻ってきて新入生のソーシャルイベントに参加した。出席しなくてもいいんけど、僕の場合パートタイムなのでほんとに人に会わずに卒業しようと思ったらできてしまうので、出るしかないかなと。でてみたらミニゲームを1時間やって(2つ本当の話と1つ嘘の話をしてどれが嘘かをグループで当てるとか)みたいな感じで、僕は別にこういうアクティビティ向きの人間ではないとは思うんだけど、意外と楽しかった。そのあと早めの夕食を食べて歓談みたいな。とてもかわいい女の人と話をしてみたが、日本人っぽいみかけだったけど中国出身だった(無論日本語は話せない)。僕は日本語を喋れるひとが好きなのか日本人的な見た目が好きなだけなのかよくわからなくなってしまった。
そのあとPalo AltoのUniversity Avenueまでみんなで歩いていって(徒歩だと20分くらいはかかる)、台湾風のミルクティー(?)みたいなやつを飲んで、そのあとみんなでバーにいった。いろいろ話をしてしまった。なんか学生っぽいこと普通にやってるなぁと思った。
そのあとは適当に解散。僕は早めに帰ったけど、Palo Altoからキャンパスまで出ているバスの乗り場がよくわからなくて帰りも歩くはめになってしまった。
なんかトータルで見てみると人生何が起こるかよくわからないよなぁと。日本では昔は普通にサラリーマンをやっていたが、そこからアメリカで仕事して、兼業ながら大学院生もすることになったし、普通にこうして他の学生とソーシャライズしているというのもなかなか不思議なものである。
というわけで結構満足のうちに初日は終わったんだけど、今後も地道に勉強していかないといけないのであった。そんなに重大な決心をもって入学したわけではないので何をやるかブレていたんだけど、僕はたぶん人工知能を勉強することになると思う。何か作っていると大体画像認識とか自然言語処理とかやりたくなるけど、いつもそこがわからなくて困っているので。来週までには暫定的な履修計画表を完成させて提出しないといけないのであった。
そのあとPalo AltoのUniversity Avenueまでみんなで歩いていって(徒歩だと20分くらいはかかる)、台湾風のミルクティー(?)みたいなやつを飲んで、そのあとみんなでバーにいった。いろいろ話をしてしまった。なんか学生っぽいこと普通にやってるなぁと思った。
そのあとは適当に解散。僕は早めに帰ったけど、Palo Altoからキャンパスまで出ているバスの乗り場がよくわからなくて帰りも歩くはめになってしまった。
なんかトータルで見てみると人生何が起こるかよくわからないよなぁと。日本では昔は普通にサラリーマンをやっていたが、そこからアメリカで仕事して、兼業ながら大学院生もすることになったし、普通にこうして他の学生とソーシャライズしているというのもなかなか不思議なものである。
その後ほかのコンピュータサイエンス専攻の学生とバーに行ってウェイウェイ(はしてないけど)してしまった。昔みたようなアメリカのドラマの世界に魔法か何かで入り込んでしまったような感じだな。— Rui Ueyama (@rui314) September 22, 2016
というわけで結構満足のうちに初日は終わったんだけど、今後も地道に勉強していかないといけないのであった。そんなに重大な決心をもって入学したわけではないので何をやるかブレていたんだけど、僕はたぶん人工知能を勉強することになると思う。何か作っていると大体画像認識とか自然言語処理とかやりたくなるけど、いつもそこがわからなくて困っているので。来週までには暫定的な履修計画表を完成させて提出しないといけないのであった。
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