2016年9月21日水曜日

初日

コンピュータサイエンスの大学院のオリエンテーションに出てきた。意外と面白かった。いままで履修生として単位は取っていたしテストを受けに学校にきたことは何度もあったから別に場所的には目新しいことはなかったんだけど、新入生ということでほかの学生と話ができたのが楽しかった。


10時にコンピュータサイエンス学部が入っているGatesビルディングに集合ということでいってみたら列ができていて、そこに並んでチェックイン。そのあと11時までは特に何もなくて、Gatesビルの中にあるAT&Tパティオという小さな広場みたいなところで待機してた(大学の建物はだいたい寄付で建設されているので、いちいちどんなものにもスポンサーしてくれた企業や個人の名前がついていて、Gatesはマイクロソフト創業者のBill Gatesからきているし、AT&Tはむろん電話会社)。まあご歓談ください、みたいな感じなので他のひとと喋っていた。

明らかに僕より上のそこそこいい年齢の女の人と話をしたら、自分は大学教授をやっているのだが、Computer Science Teachingのコースをとるためにここにきたと言っていた。僕はよく知らなかったのだけど、スタンフォードにはコンピュータサイエンスを教えるための人たちのコースというものがあり、CSの普通の授業+授業をするための授業を取ることで卒業できるというものがあるらしい。あまりにも最近にできたので誰も詳しくは知らない(入学したひとたちですらよくわかっていない)という。そのコースは9人しかいないらしい。年齢性別人種にかかわらずいろんな人がいろんなことに取り組んでいるんだよなっていう話。

11時からランチでサンドイッチ的なものが配られた。これもご歓談ください、みたいな感じで、11時45分からやっと本番のオリエンテーションが始まった。まあほんとこの1時間45分は仲良くなってねという時間なんだろうなぁ。


オリエンテーションの最初に、学部長のAlex Aikenさんが話をして、結構これはよかった。というかアメリカの偉いポジションにいる人というのは誰でもだいたいスピーチが上手い気がする。Alexが話したのは、スタンフォードがどういう学校かということと、新しく入ってきた学生(つまり我々)がどういう人たちなのかということ。僕らは合わせて200人くらいで、3割くらいは女の人で、いろんな国からきている(後で分かったが半分くらいは外国からきている)。まあ僕も外国人だし。Alexは続けて、コンピュータサイエンスはスタンフォードで最大の学生数を擁する学部で、コンピュータサイエンスを学ぶには今がベストの時期だと。なぜならコンピュータサイエンスを学ぶのにベストなタイミングは常に今だから。CSの領域はどんどん拡大している、と。まあ、そうだろうなぁ。

スタンフォードのコンピュータサイエンスは大まかに10分野にわかれているのだけど、人工知能をやりたい人が今年はなんと9割だった。ほかはセキュリティとかシステムズプログラミングとかあるんだけど、AIに9割ってさすがに集中しすぎではないか? コンピュータサイエンスを勉強したいひとの9割が人工知能を勉強するとなったら数年後の労働市場はいったいどうなるんだろうか?

その後のオリエンテーションの内容はウェブサイトを読んでくれば済む内容だった。Honor codeとか(要するにカンニングとか不正行為はしない/手を貸さない)、卒業までの単位の取り方とか、学生用のWebサイトの案内とか。

その後は解散になったので僕は学生証をピックアップしにいった。


そのあと4時にGatesビルディングに戻ってきて新入生のソーシャルイベントに参加した。出席しなくてもいいんけど、僕の場合パートタイムなのでほんとに人に会わずに卒業しようと思ったらできてしまうので、出るしかないかなと。でてみたらミニゲームを1時間やって(2つ本当の話と1つ嘘の話をしてどれが嘘かをグループで当てるとか)みたいな感じで、僕は別にこういうアクティビティ向きの人間ではないとは思うんだけど、意外と楽しかった。そのあと早めの夕食を食べて歓談みたいな。とてもかわいい女の人と話をしてみたが、日本人っぽいみかけだったけど中国出身だった(無論日本語は話せない)。僕は日本語を喋れるひとが好きなのか日本人的な見た目が好きなだけなのかよくわからなくなってしまった。

そのあとPalo AltoのUniversity Avenueまでみんなで歩いていって(徒歩だと20分くらいはかかる)、台湾風のミルクティー(?)みたいなやつを飲んで、そのあとみんなでバーにいった。いろいろ話をしてしまった。なんか学生っぽいこと普通にやってるなぁと思った。

そのあとは適当に解散。僕は早めに帰ったけど、Palo Altoからキャンパスまで出ているバスの乗り場がよくわからなくて帰りも歩くはめになってしまった。

なんかトータルで見てみると人生何が起こるかよくわからないよなぁと。日本では昔は普通にサラリーマンをやっていたが、そこからアメリカで仕事して、兼業ながら大学院生もすることになったし、普通にこうして他の学生とソーシャライズしているというのもなかなか不思議なものである。


というわけで結構満足のうちに初日は終わったんだけど、今後も地道に勉強していかないといけないのであった。そんなに重大な決心をもって入学したわけではないので何をやるかブレていたんだけど、僕はたぶん人工知能を勉強することになると思う。何か作っていると大体画像認識とか自然言語処理とかやりたくなるけど、いつもそこがわからなくて困っているので。来週までには暫定的な履修計画表を完成させて提出しないといけないのであった。